「ば」

共通語

相馬弁

順接の仮定条件を表す。例：「暇があれば行く」

「たら」または「だら」「ったら」「たごんじゃら」「っこんじゃら」に変化。例：「暇あったらんぐ」 「暇あったごんじゃら」「暇あっこんじゃら」

過去形の場合「ったっけが」に変化。例：「暇あったっけが行った」

一般条件を表す。例：「１と１を足せば２になる」

「たら」または「だら」「ったら」に変化。例：「１と１を足したら２になる」

並列を表す。例：「青もあれば、赤もある」

共通語に同じ。

「全然〜しない」の意を表す。例：「動かばこそ」

不使用。

「と」

共通語

相馬弁

ある事態の起きる機会、またはそれに気づく機会を示す。例：「歩くと足が痛い」

共通語に同じか、または「ど」に訛る。例：「歩ぐど足痛ぇ」

一般条件を示す。（＝｢〜する時はいつでも」）例：「話すと長くなる」

共通語に同じか、または「ど」に訛る。例：「しゃべっと長ぐなる」

順接の仮定条件を表す。例：「早く帰らないと暗くなる」

共通語に同じか、または「ど」に訛る。例：「早ぐ帰んねど暗ぐなる」

逆接の仮定条件を表す。例：「どうしようとかまわない」

不使用。

「ても（でも）」

共通語

相馬弁

逆接の仮定条件を表す。例：「いくら言っても無駄だ」

共通語に同じ。

逆接の確定条件を表す。例：「悔しくても泣かなかった」

共通語に同じ。

「けれど（けれども）」

共通語

相馬弁

内容的に矛盾する前後の分を結びつける。（＝「しかし」）例：「好きだけれど長続きしない」

「げんちょ」または「げんちょも」に変化。例：「好きだげんちょ（も）長続ぎしねぇ」

事実を述べて、前置きとする。例：「今は雨だけれど、明日はどうだろう」

「げんちょ」または「げんちょも」に変化。例：「今雨だげんちょ（も）、明日はどうなっぺ。」

前のことに並列して続ける。例：「寿司も良いけれど、焼肉もいいね」

「げんちょ」または「げんちょも」に変化。例：「寿司もいいげんちょ（も）、焼肉もいいした。」

「が」

共通語

相馬弁

逆態接続を表す。例：「つらいががまんしよう」

すべて「けれど（けれども）」に準じる。「げんちょ」または「げんちょも」に変化。

事実を述べて、前置きとする。例：「今は雨だが、明日はどうだろう」

前のことに並列して続ける。例：「寿司も良いが、焼肉もいい」

「のに」

共通語

相馬弁

逆接の確定条件を表す。例：「暇なのに何もしない」

共通語に同じ。

残念な意を表す。例：「来ればよかったのに」

不使用。

なじる・つめよる意を表す。例：「あんなにだめだと言ったのに」

「ので」

共通語

相馬弁

原因・理由を示す。例：「雨が降るので遠足は中止だ」

不使用。

「から」

共通語

相馬弁

原因・理由を表す。例：「雨が降りそうだから遠足は中止だ」

「がら」に訛るか、ラ行の動詞に続く場合は「〜っから」と変化。例：「雨降りそうだがら遠足中止だ」「雨降っから遠足中止だ」

「に」を伴って「〜しただけで」の意を表す。例：「見るからに冷たそう」

不使用。

「し」

共通語

相馬弁

強調しながら事柄を並列する意を表す。例：「雨も降るし風も吹く」

「っぺし」または「べし」に変化。例：「雨も降っぺし風も吹ぐ」

相反する条件を列挙する意を表す。例：「お腹は空いたし金はないし」

「っぺし」または「べし」に変化。例：「腹は減ったべし、金はねぇべし」

ひとつの事柄を挙げ、他は言外に示す意を表す。例：「雨もやんだし、行くか」

「っぺし」または「べし」に変化。例：「雨やんだべし、んぐが。」

「て（で）」

共通語

相馬弁

継起する事態が次に続くことを示す。例：「起きて顔を洗って」

共通語に同じか、または「で」に訛る。例：「起ぎで顔あらって」

原因・理由を示す。例：「暑くて眠れない」

共通語に同じ。

方法・手段を示す。例：「色をつけて完成させる」

共通語に同じか、または「で」に訛る。

並行する事態を示す。例：「広くて明るい」

共通語に同じか、または「で」に訛る。

逆接の意のこもる場合。例：「知っていて知らない顔をする」

共通語に同じか、または「で」に訛る。

上の動詞の意味を補助する動詞につなげる。例：「持っている」

共通語に同じ。

「ながら」

共通語

相馬弁

その動作・状態の起きると同時に、次に述べる動作・状態の起きることを示す。動作・状態の並行。例：「運転しながら携帯電話しゃべんな。」

共通語に同じ。

逆接の意を示す。（＝「にもかかわらず」）例：「若いながら良く気が付く」

「のに」に変化。例：「若ぇのにきしゃきいでる」

「たり」

共通語

相馬弁

動作・作用の並列を表す。例：「出たり入ったり」

共通語に同じか、または「だり」に訛る。例：「出だり入ったり」

例として挙げ、他にも同種の事柄があるのを暗示する意を表す。例：「壁に落書きしたりしてはいけない」

「たりまったり」に変化。例：「壁さ落書ぎしたりまったりしんな」

「なら」

共通語

相馬弁

仮定の条件を示す。例：「君が行くなら僕も行く」

「たら」または「だら」「ったら」「たごんじゃら」「こんじゃら」に変化。例：「おめぇが行ぐんだったら（行くんだら）僕もんぐ」 「行ったごんじゃら」「行ぐごんじゃら」

「も」

共通語

相馬弁

逆接の仮定条件を表す。（＝「ても」「とも」）例：「遅くも７時には帰る」

不使用。