相馬弁の文法 「副助詞」
共通語と照らし合わせて、相馬弁での口語体を基準に記載しています。
共通語 |
相馬弁 |
時・所・事態の終点を示す。例:「午前二時まで起きていた」「京都まで行く」「わかるまで話す」 |
共通語に同じ。 |
程度を示す。例:「そこまですることはない」 |
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限度を示す。例:「責任を負うまでだ」 |
不使用。 |
極端な一例を上げ他を類推させる。例:「下着までずぶぬれだ」 |
共通語に同じ。 |
「として」の意を表す。例:「右ご返事まで」 |
不使用。 |
(「までもない」の形で)「必要も無い」の意を表す。例:「言うまでも無い」 |
共通語に同じ。 |
(「ないまでも」の形で)「ないにしても」の意を表す。例:「全部とは言わないまでも半分くらいは」 |
「〜ねえまでも」に訛る。または「〜ねくても」に変化。例:「全部とは言わねえまでも」「全部とは言わねくても」 |
共通語 |
相馬弁 |
程度を示す。はなはだしい程度の意で使う。例:「目を奪うばかりの美しさ」 |
不使用。 |
おおよその時・数量を示す。例:「二時間ばかり休んだ」 |
不使用。 |
限定を表す。例:「きれいなばかりで役に立たない」 |
「ばっか」または「ぱっか(半濁音)」に訛る。例:「きれいなばっかで役に立だね」 |
「今にも〜しそうである」の意を表す。例:「額をすりつけんばかりにして頼む」 |
不使用。 |
(「〜たばかり」の形で)完了して間もない意を表す。例:「今始まったばかり」 |
「ばっか」または「ぱっか(半濁音)」に訛る。例:「今始まったばっか(ぱっか)」 |
(「〜とばかり」の形で)「判断したかのように」「思われるように」の意を表す。例:「今だとばかり攻める」 |
不使用。 |
(「ばかりに」の形で)「それだけが原因で」の意を表す。例:「引き受けたばかりにひどい目にあった」 |
「ばっかり」に訛る。例:「引き受けげだばっかりにひでえ目にあった」 |
共通語 |
相馬弁 |
単純な限定を表す。例:「私だけが知っている」 |
「たけ」に変化。例:「俺たけ知ってんだ」 |
(「ないだけ」の形で)「表面上〜しないだけだ」の意を含む限定。例:「口に出して言わないだけのことだ。」 |
「〜ねえだげ」または「〜ねえたげ」に訛る。例:「口さ出して言わねえだげ(たげ)だ」 |
程度を表す。例:「よくあれだけ我慢したものだ」 |
共通語に同じ。 |
(「だけに」「だけの」の形で)相応の意を表す。例:「苦労しただけに物分りがよい」「勉強しただけのことはある」 |
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(「だけに」の形で)「〜だからなおさら」の意を表す。例:「期待していただけに失望も大きい」 |
共通語 |
相馬弁 |
程度を示す。例:「まぶしいほど輝く」 |
不使用。 |
おおよその時・所・数量を示す。例:「二時間ほど待った」「町の中ほどにある」「50枚ほどの紙」 |
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程度が高まるにつれて他のことがますます進む意を表す。例:「空中に高く上がるほど空気は薄くなる」 |
共通語に同じ。 |
共通語 |
相馬弁 |
(多く数量を表す語に付いて)大体の数量・程度を表す。〜ほど。例:「40人くらい来た」「30分くらいかかる」 |
「くれぇ」「ぐれぇ」に訛る。例:「40人くれぇ(ぐれぇ)」「30分くれぇ(ぐれぇ)」 |
比較の基準を表す。〜のように。〜と同じくらい。例:「彼くらいけちな人はいない」「彼くらい英語が話せたらいいなぁ」 |
「くれぇ」「ぐれぇ」に訛る。例:「彼くれぇ(ぐれぇ)」 |
程度の低い限度を表す。わずか〜ほど。〜はともかく、せめて。例:「このくらいのことは誰でもできる」 |
「くれぇ」「ぐれぇ」
、「この」が「こん」に音便化して「け」に訛る。例:「このくれぇ(ぐれぇ)」「こんけ」 |
共通語 |
相馬弁 |
例示の意を表す。多くは他種類のものが言外に込められる。例:「鉛筆などを買った」 |
不使用。 |
軽視・へりくだりの意を表す。例:「私などとても及ばない」 |
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強意を表す。例:「うそなどつかない」 |
共通語 |
相馬弁 |
二つ以上の事柄から一つを選択する意をもって並列する。例:「行くなりやめるなり早く決めろ」 |
共通語に同じ。 |
控えめに限定して例示する。例:「どこへなり行って聞きなさい」 |
不使用。 |
共通語 |
相馬弁 |
不確かな意を表す。例:「いつのまにやら夜が明けた」 |
共通語に同じ。 |
いずれとも判定しかねる事柄を列挙する。例:「行っていいものやら悪いものやらわからない」 |
「だが」に変化。例:「行っていいんだがわりいんだがわがんね」 |
大体の事柄を列挙する。例:「踏まれるやら蹴られるやらひどい目にあった」 |
共通語に同じ。 |
共通語 |
相馬弁 |
(多く疑問の語に添えて)不確実の意を表す。例:「いつか行きたい」 |
「が」に訛る。例:「いづが行きてぇ」 |
事物の並列の意を表す。列挙した事物の一つを選択する意がこもる。例:「好きか嫌いかはっきりしない」 |
「が」に訛る。例:「好きが嫌いがはっきりしねぇ」 |
共通語 |
相馬弁 |
他にも同様のものがある意を含んで、ある事柄を示す。例:「ピアノ曲なんか好きだな」 |
共通語に同じ。 |
取るに足らないものであるという意を含みつつ、ある事柄を取り上げて言う。例:「私なんかには無理だ」 |
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打ち消す意を強める。例:「こんなことなんか知らない」 |
共通語 |
相馬弁 |
ある事柄を示して、それを無視または軽視する気持ちを表す。例:「歌なんて歌っている場合じゃない」 |
共通語に同じか、または「なんか」に変化。例:「歌なんか歌ってる場合じゃねえ」 |
思いがけなかった意外な気持ちを表す。例:「海外旅行をプレゼントするなんてステキ」 |
共通語に同じ。 |
共通語 |
相馬弁 |
問題となる事柄を取り上げて示す。例:「彼なら適任」「野球なら俺に任せろ」 |
共通語に同じか、または「だら」に変化。例:「あいづだら適任だ」「野球だら俺さまがせろ」 |
共通語 |
相馬弁 |
軽い親しみ・非難などの意を込めて話題を提出する。例:「鈴木さんたら、急におかしなこと言うんだもの」 |
不使用。 |
共通語 |
相馬弁 |
非難などの意を込めて、話題を提示する。例:「お姉さんてば、ひどいことを言うん ですもの」 |
不使用。 |
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