相馬地方の方言集 た行

            

「た」

語句 品詞 意味 用例 備考
だいりょうめめず/だいろめめず 名詞 太いミミズ。   福島県白河地区ではナメクジを「だいろ」と言うところから、ナメクジのように太いという意味で使われると推測される。
たかとおとし 名詞 大根おろし。    
たからもの 名詞 役立たずな人。使い物にならない人。   宝物は実用に供するものではないことからきていると思われる。発音は「たがらもの」
たかる 動詞(五段 病気になる。   特に体が不自由になることを言う。
たぐまる 動詞(五段 たるんでいる様。 「ズボンの裾、たぐまってる。」
訳:「ズボンの裾がたるんでいる。」
「物」に対して使う言葉で、「人」に対しては使わない。
だげんちょ(も) 接続詞 〜だけれど(も)。 「今日は雨だげんちょ、暖かいした。」
訳:「今日は雨だけれど暖かいね。」
類義語:「ほげんちょも」「んだげんちょ
ただいいくれぇ/ただぐり 名詞 いい加減に。適当に。   「ただぐり」は若者方言。
たった 名詞(幼児言葉)
  1. 立っち。
  2. 靴下。
  1. たったできたした。」訳:「立っちできたね〜。」
  2. たった履げ。」訳:「靴下を履きなさい。」
2.は「足袋(たび)」から。
〜だった/〜たった 接尾語(過去の説明) 〜したものだ。〜だった。 「よぐ行ったった。」
訳:「よく行ったものだ。」
 
だったかける 動詞(下一段 ふざけて、誰かを転ばせるために足を引っ掛ける行為。   発音は「だったかげる」
たっちゃ 動詞(過去形)
  1. 垂れた。
  2. 用を足した。
   
たっぴら 名詞 平伏。平身低頭。    
たっぺ 名詞 凍って滑りやすくなっている路面。 たっぺんなってっから気ぃつけでんげ」
訳:「凍って道路がツルツルになっているから気をつけて行きなさい」
 
〜だでない 動詞(否定) 〜し甲斐がない。〜してもきりが無い。〜しても仕方ない。    
たばこ 名詞 おやつ。労働の合間にとる休憩。   「おたばこ」とも言う。発音は「たばご」。同意語:「こじはん
たもとほる 動詞(五段 同じ場所を行きつ、戻りつする。    
〜ったら 接続助詞 〜すれば。 「こっちゃ来ったらいいんでねぇが。」
訳:「こっちに来てればいいんじゃない?」
ラ行の動詞の語尾に付く。
〜だら 接続詞・接続助詞 〜なら。〜ならば。 「おめが行ぐんだら俺もせでんげ。」
訳:「お前が行くなら俺も連れて行け。」
 
だら 名詞 糞。肥やし。    
だらかつぎ 名詞 畑に肥やしをまくこと。    
たらつく 動詞(五段 それらしいふりをする。 「弱かしたらついでだんでわがんね。」
訳:「弱い振りをしていてはダメだ。」
発音は「たらつぐ」
たらのまね 名詞 馬鹿げたこと。    
〜たりまったり 接続助詞 〜したりする。例をあげ、他にも同趣の事柄があるのを暗示する意を表す。 「ゲームしたりまったりして暇をつぶす。」
訳:「ゲームをしたりして暇をつぶす。」
 
たれか 名詞 横着。   同意語:「くさし
たれる 動詞(下一段 用便。   殆どの場合、現在完了形の「たっちぇ」で使用。
たんがく 動詞(五段 抱える。持ち上げる。   発音は「たんがぐ」。
だんじゃ 代名詞+断定の助動詞 誰だ。 「これやったのだんじゃ?」訳:「これをやったのは誰だ?」  
たんぱら 名詞 短気。   「ぱら」は「腹」から。
たんび 名詞 度。時。折。 「あそごさんぐたんびにコーヒー飲むんだ。」
訳:「あそこに行く度にコーヒーを飲むんだ。」
 

一番上さ飛ぶがんな〜

語句 品詞 意味 用例 備考
〜っちぇ 補助動詞(過去完了・受動態) 〜してもらって。〜されて。人の行為を受けたことを表す。 「今日は注射打だっちぇ、風呂さ入らんねえ。」
訳:「今日は注射を打たれたので、お風呂に入れない。」
 
〜っちぇる 補助動詞(現在進行・受動態) 〜されている。人の行為を受けている状態を表す。 「太郎がお母さんさ怒らっちぇる。」
訳:「太郎がお母さんに怒られている。」
 
ちだらまっか 形容動詞 血まみれ。血だらけで真っ赤になっているさま。    
ちぢまめ 名詞 落花生。   土の中になる豆「土豆」が訛ったもの。
ちみたい 形容詞 冷たい。    
〜っちゃ 比較の格助詞係助詞 〜とは。〜って。一つの物を挙げる意を表す。 「パソコンっちゃおもせぇな〜。」
訳:「パソコンっておもしろいね。」
 
補助動詞(過去形受動態) 〜された。 「先生さ宿題忘んなって言わっちゃ。」
訳:「先生に宿題を忘れるなと言われた。」
 
補助動詞(過去形) 〜した。 「しぱぐっちゃ。」
訳:「し損なった。」
〜っぱぐる」の過去形、「〜ぱぐった」の短縮形。
格助詞「〜さ」の短縮形 〜へ。〜に。 「まっちゃんぐ。」
訳:「町へ行く。」
語尾が「ち」の場合、それに続く「〜さ」は短縮される。
〜っちゃぐねぇ 助動形容型(否定) 〜したくない。    
ちゃっぱ 名詞 浴用タオル。   同意語:「ゆもみ
ちゃっぽ 名詞 帽子。   フランス語で帽子を「シャッポ」と言うところから。小高地域では「シャッポ」と言う。
ちょいかける 動詞(下一段 ちょっかいを出す。    
ちょおす 動詞(五段 いじる。いたずらにもてあそぶ。 ちょおすな。」
訳:「いたずらするな。」
 
ちょおま 名詞(昆虫) 蝶。    
ちょっけす 名詞 (頭や髪型など)鶏冠(とさか)状の物    
ちょっこら 副詞 ちょっと。ちょっくら。 ちょっこら出がげでくる。」
訳:「ちょっと出かけてくる。」
 
ちょべっと/ちょっぺし 副詞 ちょっぴり。    
ちんちぇ /ちんこい 形容詞 小さい。 「赤ん坊の手はちんちぇな。」
訳:「赤ちゃんの手は小さいね。」
 
ちんと/ちぃと/ちっと 副詞 少し。 ちんと遅がった。」
訳:「少し遅かった。」
反対語:「うんと
ちんば 名詞 片方しかない。対照でない。   同意語:「かたちんば
ちんみぎる 動詞(五段 つねる。 ちんみぎらっちぇ、青なじ出来た。」
訳:「つねられて青痣ができた。」
同意語:「つねぐる

一番上さ飛ぶがんな〜

語句 品詞 意味 用例 備考
〜っつぁ 格助詞「〜さ」の短縮形 〜へ。〜に。 「こだっつぁ入れ。」
訳:「こたつに入りなさい。」
語尾が「つ」の場合、それに続く「〜さ」は短縮される。
つかってる 動詞(進行形) ついている。   「点く」「付く」「着く」「漬く」に適用。
つかむ 動詞(五段 捕まえる。    
つける 動詞(下一段 (荷物を)積む、積み込む。    
つっ〜 強調の接頭語 主に形容詞の語頭につき、語意を強調する。   同意語「すっ〜
つっかりさっかり 副詞 しばしば。    
つっこえる 動詞(下一段 付け加える。付ける。 「引き出物に菓子をつっこえる」訳:「引き出物に菓子をつける。」  
つっとがった 形容詞 とても尖っている。   同意語「すっとがった
つっぺる 動詞(受動・五段 (側溝、堀などに)滑って落ちる。   同意語:「かっぺる
つっぺす 動詞(能動・五段 (側溝、堀などに)人を落としてやる。    
〜っぱぐる 動詞(五段 〜し損なう。 「バスさ乗っぱぐっちまった。」
訳:「バスに乗り遅れちゃった。」
 
つねぐる/つめぎる 動詞(五段 つねる。   同意語:「ち んみぎる
つべたい 形容詞 冷たい。    
つまたて 名詞 爪先立ち。    
つむりげ 名詞 髪の毛。   「つむり(頭)の毛」から。
つよ 名詞 汁。汁気。    
つろわらつろわら 擬態語 うろうろ。 つろわらつろわわらしてんでねえ」訳:「うろうろしてるんじゃない。」 同意語「うろらうろら
つん〜 強調の接頭語 主に動詞の語頭につき、語意を強調する。   同意語「すん〜
つんぬける 動詞(下一段 すり抜ける。   同意語「すんぬける」。発音は「つんぬげる」
つんのめる 動詞(下一段 つまずく。 「前見で歩がねぇど、つんのめっと。」
訳:「前を見て歩かないと、つまずくよ。」
 
つんばな 名詞 手鼻。    
つんむぐる 動詞(五段 誤って水に落ちる。 「プールさつんむぐっちまった。」
訳:「プールに落っこちてしまった。」
 

一番上さ飛ぶがんな〜

語句 品詞 意味 用例 備考
〜であんめ 助動形容型 〜ではないだろう。 「おめーが障子破いだんであんめな。」
訳:「お前が障子を破いたんじゃないだろうな。」
 
でかさない 動詞(サ変打消しの助動詞 かっこわるい、さまになっていない様子。 せっかぐかっこいい服着てんのに、靴下ほんなんでは、でがさねべした」訳:「せっかくカッコいい服を着ているのに、靴下がそれではさまになってないよ。」 発音は「でがさね」
でくろこ 名詞 大きいこけし。木彫りの人形。    
でごい 形容詞 体が大きい様。   主に原町市石神地区南部で使用。
てそじらしい/てさずらしい 形容詞
  1. 落ち着きがない。いたずらな。
  2. わずらわしい。
てそじらしいわらしだな。」
訳:「落ち着きの無い子供だ。」
漢字で「手そじらしい」と書く。類義語:「手わすら/手わっさ
でだす 動詞(五段 出発する。    
てっぷし 名詞 手つき。物事を行うときの手の動き。 てっぷしがいい。」
訳:「手先が器用。」
 
てづまつけぇ 名詞 手品師、の老人語。    
でな 名詞 おでこ。    
〜でねぇ 助動形容型 〜ではない。打消しを表す。 「明日でねぇ、今日だ。」
訳:「明日じゃないよ、今日だよ。」
 
〜で/〜でば 終助詞 〜ってば。注意を促したり、語気を強めたりする意を表す。 「早くしろで(でば)。」
訳:「早くしなさいってば。」
 
でほ 名詞 うそ。でたらめ。   「出放題」の後ろ3文字が省略されたもの。
でれすけ 名詞 だらしの無い人。いいかげんな人。    
でろ 名詞 泥。    
てわすら/てわっさ 名詞 (手を使った)いたずら。   類義語:「てそじらしい/てさずらしい
でんぐる 動詞(五段 転ぶ。    
てんぐるま 名詞 肩車。   同意語:「くびこんま
てんでんこ 名詞 バラバラな様。   「てんでんばらばら」から。
でんむぐる 強調の接頭語+動詞(五段 もらす。    
でんころ 名詞 小さい丸太などの木。   同意語:「どんころ

一番上さ飛ぶがんな〜

語句 品詞 意味 用例 備考
〜ど 終助詞(感動・詠嘆) 〜だよ。〜よ。 「外寒いぉ。」
訳:「外は寒いよ。」
 
伝聞の助動詞 〜って。〜だそうだ。 「外寒いんだ。」
訳:「外は寒いんだって。」
 
〜っと 終助詞(念押し) 〜するよ。 「ご飯食べっと。」
訳:「ご飯食べるよ。」
 
接続助詞 〜すると。 「本見っと書いであっと。」
訳:「本を見ると書いてあるよ。」
ラ行の動詞の語尾に付く。
どいづ 指示代名詞 どれ。    
人代名詞 どの人。    
とうぎみ/とうきみ/とうみぎ 名詞 とうもろこし。    
とうじ 名詞 本家。    
とうじゅ 名詞 母屋。    
どえっこ 名詞 間。    
とこげる 動詞(下一段 物が古くなって、破けやすくなること。 「畳がとこげっちまった」訳:「畳が古くなってやぶけそうだ。」  
としょり 名詞 年配の人。    
どしょなし 名詞 度胸がない事、人。 「あいづはどしょなしだ。」
訳:「あの人は度胸が無い。」
 
どっかさ/どっかさが 不定称の指示代名詞+不確実の副助詞+目標を示す格助詞 どこかへ。 「ピアスどっかさ(が)行っちまった。」
訳:「ピアスをどこかへなくしちゃった。」
「どっかさ」は方言の原型。「どっかさが」は共通語と混同した若者方言。
どっくち 名詞 悪口。憎まれ口。   「毒口」から。同意語:「ざんぞ
どっくむ 動詞(五段 仲間になる。手を組む。    
とっけす 動詞(五段 取り返す。    
とっこす 動詞(五段 追い越す。    
とっこむ 動詞(五段 取り込む。 「布団とっこめ」訳:「布団を取り込みなさい。」 同意語「おっこむ
とっつぇーる 動詞(下一段 仲裁する。間に入って分ける。    
とっつけ 名詞
  1. 手前。手元。
  2. 始め。始まり。
 
  1. 共通語の「とっつけ(刀剣の柄口の金具)」から?
  2. 共通語の「とっつき」から
とっぱしり 名詞 遠出。    
とっぱぐる 動詞(五段 取り損ねる。    
とっぺ 動詞(五段) +助動詞 取ろう。    
とどく 動詞(五段 到着する。   共通語では物に対して言うが、方言では「人」に対しても使用。
とねこんま 名詞 その年(当年)に生まれた子馬。   『「当年」産まれた「こんま」』から。
どのる 動詞(五段
  1. 一呼吸おく。一息つく。
  2. 疲れたりして動かないでいるさま。
「跳ねで来てこわいがら、どのってがらしゃべっからちんと待ってくいよ。」
訳:「走ってきて息切れするので、一息ついてから話すから少し待ってくれ。」
 
どまづぐ 動詞(五段 どもる。言葉がつかえる。 「緊張してどまづいぢまった。」
訳:「緊張して言葉が使えてしまった」
 
とろぺ 副詞 絶えず。始終。しょっちゅう。    
とろむ/とろんでる 動詞(五段 独楽が回転を続け、一見静止しているように見える状態のこと。   川のながれの止まっている所をトロ(瀞)というのと同じ。
とをたてる 動詞(下一段 戸をしめる。    
どんぐろい 形容詞 どす黒い。    
どんこ 名詞(食物・魚) エゾイソアイナメ。    
どんころ 名詞 小さい丸太などの木。   同意語:「でんころ
とんづがね 動詞(否定)(五段 届かない。 「まんたとんづがね。」
訳:「まだ届かない。」
反意語:「とんづく
とんづく 動詞(五段 届く。   発音は「とんづぐ」。反意語:「とんづかね。」
とんぼぐち/とぼぐち/とぶぐち 名詞 入り口。    

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